真紀ちゃん 電車でおつかい

作  竹海 楼蘭

ゴールデンウィークも真っ只中の五月四日、真紀ちゃんの通う小学校は、創立記念日でお休みです。
真紀ちゃんはお休みですが、パパとママはというと、連休中でもしっかりお勤めがあります。せっかくお天気もいいのに、どこにも行けなくて、ちょっぴりがっかりな真紀ちゃんです。
でも、そんなことでわがままを言って、パパとママを困らせるわけにもいきません。今朝も、いつものように笑顔でパパのお見送りをしてから、ママと一緒に朝 ご飯を食べました。ママがお弁当の用意をしてくれているから、お昼前には公園にお出かけして、お外で食べるのもいい考えです。
「あら?」
と、キッチンのほうから、ママの声が上がりました。なんだろうと思って行ってみると、そこにはお弁当が三つ、並んでいるではありませんか。
小さなお弁当は、真紀ちゃんのぶん。中くらいのお弁当は、ママのぶん。ですから、残りの大きなお弁当は、パパのぶんということになります。
慌てんぼうのパパが、お弁当を忘れていったということは、真紀ちゃんにもすぐにわかりました。ママもなんだか、困ったような顔をしています。
「どうしようかしら……」
せっかく作ったお弁当ですから、このままではもったいありません。でも、ママはもちろん真紀ちゃんも、こんなにいっぱいのお弁当は食べきれません。
何かいい方法はないか、頭をひねって考えていた真紀ちゃん、ぱっとひらめきました。

「そっか、あたしがお届けすればいいんだ!」
そうすれば、パパもお弁当が食べられるし、真紀ちゃんも退屈しないで済みます。真紀ちゃん、冴えています。
「でも、パパの会社は電車で行かなくちゃいけないでしょ? 真紀ちゃん、迷子になるんじゃないかって、ママ、心配だわ」
ですが、ママは何だか心配そう。
「だいじょうぶだよ、前にも行ったことあるもん」
ここでダメと言われてしまったら、せっかくのお休みの計画が台無しです。だから、なおのこと、真紀ちゃんは自信たっぷりに答えました。
ちょっとの間、考え込んでいたママも、ついに決心がついたようです。パパへの愛情を込めたお弁当ですし、真紀ちゃんもお休みですから、そう思うのも当然でしょう。
「じゃあ、真紀ちゃんにお願いするわね。車に気をつけるのよ」
「うん!」
こうして、真紀ちゃんはパパのお弁当をお届けすることになったのでした。

お弁当はお昼休みに食べるものですから、お昼までに間に合えば充分なはずなのに、ママをお見送りしたあと、居ても立ってもいられなくなった真紀ちゃんは、すぐにお出かけの用意を始めました。
ハンカチとポケットティッシュ、パパのお弁当、それに電車賃を入れたお財布をリュックに詰めて、玄関にしっかりと鍵をかけて、さあ出発です。
駅までの道は、通学路の途中にある交差点を曲がってまっすぐですから、いくらなんでも迷子になったりはしません。ずいぶんとたくさんの人が駅に向かって歩いていますが、真紀ちゃんはみんなが同じ電車に乗るとは思っていませんでした。
駅についたら、まずは切符を買います。真紀ちゃんのいる眞木ノ町駅から、乗り換えなしで十三駅目の終点に、パパの会社の最寄駅があるのは、これまでにも何度か連れて行ってもらったことで承知済みです。

得意満面で子供用の片道切符を買って、自動改札機を抜けた真紀ちゃんは、人がいっぱいのホームに向かいました。ちょうど八時を回ったばかり、通勤ラッシュもいいところの時間帯ですが、そんなこともぜんぜん知らなかった真紀ちゃん、人の多さにただびっくり。
「間もなく、二番線に電車が参ります。危ないですから、黄色い線まで下がってお待ちください」
電車がやってくることを告げるアナウンスの後で、これまた人でいっぱいの電車がホームに到着しました。後ろから押されるようにして乗り込んだ真紀ちゃんは、ちっちゃいこともあって、あっという間に反対側のドアのほうまで押し込められてしまいました。
後ろでドアが閉まる音が聞こえたと思う間もなく、ガタン、と大きく揺れて、電車が動き出しました。おしくらまんじゅうのように、ぎゅうぎゅう詰めになった車内では、真紀ちゃんの小さな体は背負ったお弁当ごと潰れてしまいそうです。
次の駅では、さらに乗り込んできた人たちに押されて、奥へ奥へと押しやられてしまいました。次の次の駅では、とうとう車両と車両を結ぶ連結器のところまで押されて、せっかくのよそ行きのお洋服がぐしゃぐしゃです。
連結器のところは、鉄板が組み合わされているだけですから、電車が揺れるたび、足元もぐらぐらします。出口を塞がれてしまっているために、抜け出すこともできない真紀ちゃん、仕方がないので、反対側のドアのほうに向いて、じっと我慢することにしました。
ドアの向こうの車両も、真紀ちゃんのいる車両も、すごい人込みです。あまりの人の多さと、揺れる足元に気をとられて、スカートがめくれてしまっていることにも気がついていない真紀ちゃんでした。

と、そのときです。
「きゃっ」
後ろから伸びてきた手に、するりとパンツを膝のところまで下げられてしまいました。短い悲鳴も、電車が走る音でかき消されて、気づいた人は誰もいないようです。
後ろを振り返ろうとしても、背中側から押されているために、体の向きを変えることもできません。そうこうしているうちに、パンツを下ろした誰かさんの手は、真紀ちゃんの剥き出しになったお尻に触れてきました。
さわさわとお尻を撫でられては、くすぐったがり屋の真紀ちゃんはたまったものではありません。踏ん張っている足が震えて、今にもしゃがみ込んでしまいそうです。
「あっ……だめ……」
今度は、お尻の谷間から割れ目を、指でしゅりしゅりされてしまいました。くすぐったがり屋の真紀ちゃんが、一番弱点としているところを、指は絶妙な力加減で擦ってきます。
「……ぁん……やだぁ……」
だんだんと気持ちよくなってきた真紀ちゃん、いつの間にか自分から足を開いて、お尻を後ろに突き出す格好をしていました。たくさんの人がいるのに、誰にも気づかれずに恥ずかしいことをされているという状況が、さらに気持ちよさを増していきます。
つぷ……ちゅぷ……くちゅ……。
そろそろ頃合いだと踏んだのでしょうか、指は真紀ちゃんの割れ目を広げて、あそこの中へと潜り込んできました。ゆっくりと前後する動きに、ドアにもたれかかった真紀ちゃんは、はあはあと息を荒げるばかり。
つにゅぅ……ぬぷっ……。
「そこ……やぁ……お尻だよぉ……」
あそこだけではなく、一緒にお尻の穴にまで指が進んできます。電車の揺れに合わせて、前と後ろ、両方の穴を弄られっぱなしの真紀ちゃん、いつの間にか上と下のお口から、よだれを垂らしていることにも気づいていませんでした。
どうやら、指の持ち主は、真紀ちゃんが陰になってしまうのをいいことに、痴漢を働いているようです。でも、それで気持ちよくなっている真紀ちゃんにも困ったものですが。

「え……?」
カーブに入った途端、バタン、と背後でドアが閉まりました。
痴漢さんと二人きり、完全に連結部に閉じ込められてしまった真紀ちゃんのあそこは、たっぷりと弄られて、もうびちょびちょになっています。
ようやく、指があそことお尻から抜かれて、ほっとしたのも束の間、真紀ちゃんの体はぐっと浮き上がりました。痴漢さんが腰を掴んで持ち上げたためです。
足元が揺れなくなったのはいいのですが、ひどく不安定なのは変わりありません。両側にある手すりに掴まって、何とか上半身の体勢だけでも整えようとした真紀ちゃんですが、あそこに押しつけられた硬くて熱い感触に、それもできませんでした。
「……ぁ……あ……あっ……あーっ……」
ず……ずぷ……ずぷっ……ずぷぷっ……。
痴漢さんの手から力が緩められると、真紀ちゃんのあそこにおちんちんがめり込んでいきます。自分の体重が、その手助けをしているのですから、腕の力の弱い真紀ちゃんには、どうしようもありません。

……ずぷぅうっ!
「あ――ッ!」
手を離されたことで、とうとうおちんちんの根元までが、あそこに突き刺さってしまいました。
まだまだ小さい真紀ちゃんのあそこは、いっぱいに広がって、おなかの奥までおちんちんがきているために、窮屈なことこの上ありません。
ガタン……ゴトン……ガタン……ゴトン……。
ずっ……ずんっ……ずっ……ずんっ……。
両足は宙ぶらりんになったまま、手だけで体を支えているわけですから、電車の揺れが、そのままおちんちんを伝わって真紀ちゃんに襲いかかってきます。
「……だめぇ……ふぁっ……らめぇ……」
おなかの奥をぐりぐりされて、だんだんと慣れてきてしまった真紀ちゃん、ドアを挟んで前にも後ろにも人がいるというのに、エッチな声が止められないようです。
小さな真紀ちゃんのあそこは、たいそう具合がいいらしく、痴漢さんも自分から腰を動かすようなことはしませんでした。その代わりに、ブラウスの下から手を入れて、ぺったんこなおっぱいの先っぽを、くりくりと弄ってきます。
「はぁ……ん……おっぱい……気持ちいいよぉ……」
顔も知らない誰かさんに悪戯されているというのに、すっかり出来上がってしまった真紀ちゃん、気持ちよさのあまりに、知らず知らずのうちにあそこをきゅうっと締めつけていました。
すぐ後ろから、痴漢さんがうめく声が聞こえてきます。真紀ちゃんも窮屈でしたが、それは痴漢さんも同じこと、その声からして、限界はすぐのようです。
どぴゅっ! どぴゅっ! どぴゅっ!
「――んぅうぅんんっ! ……あっ……つぅい……」
おなかの奥に熱いものが打ちつけてくる刺激に、真紀ちゃんも全身をがくがくと震わせました。

やがて、痴漢さんのおちんちんが抜かれると、真紀ちゃんのあそこから、ぶくぶくと泡立った精液が、ぽたぽたと鉄板の上にこぼれ落ちていきました。
ようやく解放されて、ぺたんとその上にへたり込んでしまった真紀ちゃんの前に、てらてらと濡れ光ったおちんちんがあります。気持ちよくしてもらったお礼にと、おちんちんをぱくっと咥えてあげた真紀ちゃん、痴漢が立派な犯罪行為だとは気づいていないようです。
終点に近づいたことを知らせる車内アナウンスが流れていましたが、ドアの下に隠れて痴漢さんのおちんちんを綺麗にしている真紀ちゃんの耳には、もちろん届いていませんでした。

「おや、まきのすけじゃないか」
なんとかパパの会社に辿り着いた真紀ちゃんを、パパは不思議そうな顔で出迎えてくれました。
大変な思いをしてやってきたというのに、お弁当のことをすっかり忘れてしまっているパパに、真紀ちゃんはぷうっとほっぺたを膨らませました。
「パパがお弁当忘れたから、お届けしに来たんだよ?」
「……? ああ、そうか! それはご苦労さんだったね」
真紀ちゃんがリュックから取り出したお弁当は、辛うじて無事な外見を保っていましたが、中身の保証まではできかねます――だって、あんなに揺られたのですから。
「電車で来たのか? この時間は大変だっただろ?」
お弁当を受け取ったパパに、真紀ちゃんは頷き返しました。
「人がいっぱいで、ぎゅーってされて、大変だったんだからね」
真紀ちゃんがどんな風に『ぎゅーっ』とされたのか、何も知らないパパはただ笑って真紀ちゃんの頭を撫でるばかり。
こうして、真紀ちゃんの初めてのおつかいは無事……とは言わないまでも、何とか終わったのでした。
真紀ちゃん、お疲れさま。


おわり