真紀ちゃん 夏休み

作  竹海 楼蘭

『――上空に寒気が入り込む影響で、大気の状態が不安定になり、午後からところどころで雷を伴う強い雨が降るでしょう』
 テレビの時刻は7:26――あと少しです。
 毎朝楽しみにしているテレビ番組の前に流れるニュースは、お勤めに出かけるパパやママにとっては貴重な情報源でしたが、真紀ちゃんにとっては退屈なものでしかありません。
 小学校に入って初めての夏休み、公園でのラジオ体操から帰ってきた真紀ちゃんは、リモコンのチャンネルを切り替えるタイミングが気になるあまり、今日の天気予報がまるで耳に入っていませんでした。
 朝ご飯の後で、いつものようにパパをお見送りしたときに、傘を持って出かけたことに気づくべきだったのでしょうが、後片付けのお手伝いも早々にテレビに齧りつきです。
「夕立になるかもしれないから、お出かけするときは窓閉めておいてね」
「はーい」
 お化粧ついでにママが言いましたが、ようやく始まった番組に夢中の真紀ちゃん、上の空で聞き流してしまったようです。
 夏休みに入ってからの真紀ちゃんの日課は、朝のラジオ体操に始まって、午前中はテレビと宿題、ママが用意してくれているお昼ご飯を食べてからは、プールにお出かけと相場が決まっています。
 今日も朝から陽射しが強くて、じっとしていても汗ばむくらいの暑さなので、さぞかしプールが気持ちいいことでしょう。お空には入道雲が広がっていました が、それが“カミナリさま”の住んでいる雲だとは知らない真紀ちゃん、コマーシャルの合間に、早くもプールの支度を始めています。
 はてさて、今日はいったいどうなることやら……。

 夏休みの間、真紀ちゃんの通う小学校のプールは、月曜日から金曜日までの平日、自由に利用できます。
 一学期の終業式で、生徒にはラジオ体操とプールのスタンプシートが渡されていて、スタンプが全部捺された暁には、二学期の始業式で表彰されることになっています。
 ですから、ダブルコンプリートを目指している真紀ちゃんのこと、今のところ、どちらのスタンプシートも皆勤です。
 おかげさまで、すっかり日焼けした真紀ちゃんのお肌は、日に焼けた小麦色のところと、水着の跡の白いところにくっきりと分かれています。そのせいで、パパと一緒にお風呂に入ると、
『まきのすけ、お風呂に入るときくらい、その白い水着脱ぎなさい』
 なんて、からかわれたりもするのですが、日焼けは元気なことの証明でもあるので、ぺったんこな胸を張ってもいい真紀ちゃんでした。
 ともあれ、今日もまた小学校にやってきた真紀ちゃん、お家から水着を着てくるという裏技で、専用更衣室での着替えもそこそこに、バスタオルとシートを手にプールにダッシュ。
「こんにちは♪」
「はい、こんにちは。今日は水色だね」
 監視員のアルバイトをしているお兄さんとも、今ではすっかり顔馴染です。プールサイドに張られたテントの中、お兄さんにシートを預けると、しっぽを留めているゴム――真紀ちゃんのおしゃれアイテムなのです――に気づいてもらえたことが嬉しくて、真紀ちゃんは自然に笑顔になりました。

「……あれ? あんまり人いないね」
 日陰で準備運動をしながら、真紀ちゃんはいつも以上に泳いでいる人の少ないプールに目を向けました。
 お兄さんがこの小学校に通っていた頃に比べて、プールにくる生徒の数が減ったという話ですが、それにしても今日は空きすぎているような気がします。
「午前中はこんなんじゃなかったんだけどね。……どうしたのかな」
 ダイバーズウォッチをちらっと見て、お兄さんも首を傾げるばかり。
 クーラーの効いたお部屋でゲームをしているほうがいいのかな、というお兄さんの呟きに、
 真紀ちゃんは『そんなものなのかな』と思いました。
 真紀ちゃんは断然プール派です。クーラーの涼しさよりも、プールのほうがもっと気持ちいいですし、今日みたいに人の少ない日には、お兄さんに泳ぎを教えてもらえることだってあるのですから。
「うーん……」
 天気予報さえちゃんと見ていれば、その理由も察することができたのでしょうが、ここは考えていても仕方がないと、シャワーを浴びて薬槽につかって、浅くなっているほうからプールに入りました。
 適度に水温の上がった流れのない水の中は、お風呂や海水浴とはまた違った気持ちよさです。
 体を水に慣らしてから、思いきって潜った真紀ちゃんの頭の上で、水面が陽射しを浴びてゆらゆらと揺れています。
 こうして潜れたり、泳げたりするようになったのは、実は夏休みに入ってからのことでした。
 一学期のプールの授業では、水に顔はつけられても、怖くて目が開けられなかった真紀ちゃんに、プールの楽しさを教えてくれたのは、監視員のお兄さんだったのです。
 水中から見る水面が綺麗なことや、水に潜ってのじゃんけん、他にも水に浮くコツや、ビート板を使った息継ぎの仕方など、お兄さんが色々と教えてくれたおかげで、プールが大好きになったのですが、最近はあまり構ってもらえなくて、ちょっぴり残念な真紀ちゃんです。

「――ぷはっ!」
 そろそろ息が続かなくなって、水面から顔を出すと、お兄さんが上級生の女の子に泳ぎを教えているところが見えました。
(……いいなぁ)
 おやおや、真紀ちゃん、ちょっぴりジェラシーのようです。
 一人っ子の真紀ちゃんにとって、優しくて頼りがいのあるお兄さんは、憧れの対象なのでしょう。
 ですから、他の女の子と仲良くしているのが、ちょっとだけ面白くありません。
 だからといって、わがままを言うわけにもいかない真紀ちゃん、ここは一つ気持ちを切り替えて、当面の目標にしている“足をつかないで10メートル泳げるようになる”の特訓を始めることにしました。
 バタ足、息継ぎ、バタ足、息継ぎ――何度やっても、三回目の息継ぎで足をついてしまうので、
 10メートルの壁は突破できません。休憩を挟んで猛特訓の真紀ちゃん、何やら次第に雲行きが怪しくなっていることにも気づいていない様子。
「……あれ?」
 気がつくと、いつの間にかプールに一人だけになっていた真紀ちゃんです。
 終わりの時間にしては、まだ休憩を二回しかとっていませんし、それにしてはお空が暗すぎるような気もします。
「曇ってきたみたいだから、みんな先に帰っちゃったよ。――真紀ちゃんはどうする?」
 プールサイドから、お兄さんが声をかけてきます。今にも雨が降ってきそうなお天気でしたが、お兄さんを独り占めできる絶好のチャンスでもあります。
 もちろん、真紀ちゃんが選んだのは後者のほうでした。
「あのね、息継ぎ、まだ三回しかできないの」
 どことなく、おねだりするような上目遣い――さすが真紀ちゃん、無意識のうちに心得ています。
 一瞬だけ、視線を逸らしてしまったお兄さんはというと、どうやらその仕草がツボにはまってしまったようです。
 高校生にしては進んでいない――早い話が童貞なのです――ほうに属するお兄さんには、本当のお兄さんのように慕ってくる真紀ちゃんの水着姿でさえ刺激的だったのかもしれません。

 そんなこんなで、Tシャツのままプールに飛び込んだお兄さんは、真紀ちゃんの胸とおなかを支えると、息継ぎのコツを伝授し始めました。
 まず、水の中で息は全部吐いてしまうこと。バタ足は膝から下だけではなく、足全体を使ってすること。
 1、2、3とリズムをとること――などなど。
 教えながらも、水着ごしのおっぱいやおなかのぷにぷに感にどぎまぎしているお兄さん、何となく前屈みになっています。もしも水に潜ったなら、前がぴんと張ったお兄さんの水泳パンツが見えたはずです。
ちょっとした問題はあったようですが、マンツーマンで教えてもらったおかげなのでしょう、真紀ちゃんは
 飲み込みも早く、ほどなくして足をつかずに10メートルを泳ぎきることができました。
「やった、やったぁ!」
 目標達成の嬉しさのあまり、思わずお兄さんに抱きついてしまった真紀ちゃん、ぷにぷにした体を健全な高校生に押しつけることが、いかに不健全な結果を招くのか、まるでわかっていません。
 目を白黒させているお兄さん、思わず抱きとめてしまった手のひらにある、お尻の何とも言えない柔らかさに、今にも理性が飛んでいってしまいそう。
「ま、真紀ちゃん……っ!」
 真紀ちゃんとお兄さん、二人きりになったプールで、いいムードでいけないムード満々ですが、そろそろお天気にも気を配ったほうが――。

ピカッ!

 途端に、カメラのフラッシュみたいな光が、抱き合う二人を照らし出しました。
「――え……?」

ドーン! ゴロゴロゴロ……。

 次いで、雷鳴が大音量で轟き、瞬く間にプールの水面を大粒の雨が叩き始めます。
「うわ、降ってきちゃった。早く上がろう!」
 年長者らしく、手を引いてプールから上がったお兄さんの後ろで、真紀ちゃんの顔色が見る見るうちに青ざめていきます。
(どうしよう……おへそ、とられちゃうよぉ!)
 あらら、“カミナリさま”におへそをとられるという迷信を信じ込んでしまっている真紀ちゃん、ひどく不安そうにしています。
 そうしている間にも、真っ暗になりつつあるお空と、勢いを増してくる雨に追われるようにして、スタンプシートとバスタオルを回収したお兄さんは、怯える真紀ちゃんを連れてプレハブの更衣室へと避難しました。

バラバラバラバラバラ……ドドーン!!
 激しい雨がプレハブの屋根を叩く音に混じって、ひっきりなしに雷鳴が耳に届きます。
 逃げ込んだ先の更衣室で膝を抱えて、半べそになっている真紀ちゃん、お兄さんがすぐそばにいるのに、不安でたまらないといった表情です。
「大丈夫。おなか出してなきゃ、おへそとられたりしないから」
「でも……」
 水に濡れた“しっぽ”が力なく垂れて、いつもの元気さはどこへやら、しっかりとおなかをガードしてうずくまる真紀ちゃんを安心させようと、お兄さんは色んなお話をしてくれます。
 何でもない状況なら、すごく楽しい時間になるはずが、雷が気になって気になって仕方がない真紀ちゃん、遠く近く雷が鳴るたび、びくっと肩を震わせています。

ピカッ!!

「きゃあっ!」
 窓のカーテンごしにも、更衣室の中を明るく照らし出した稲光に、真紀ちゃん、思わずお兄さんにしがみついてしまいました。
……ドド――ンッ!!
 続けて、プレハブを揺るがすほどの轟音が鳴り響いて、更衣室の電気がフッと掻き消えてしまうと、
「ふぇえ……」
しょわぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ……。
 閉じ合わせた太腿から足首にかけて、かすかな水音を立てて伝うものがあります。
 しがみついてきた真紀ちゃんが震えているのに、今さらながらに気がついたお兄さんの足元にまで、その水溜りは広がっていました。
 落雷に停電、それにおもらしと、トリプルアクシデントに見舞われてしまった真紀ちゃん、もはや声も出ない
 ようです。お兄さんのTシャツに顔を埋めて、いやいやをするみたいに首を左右に振る、その仕草が決定打になってしまうとも知らずに――。
「――真紀ちゃんっ……!」
 ぎゅっと抱きしめられて、おなかから胸に当たる硬い感触に違和感を覚えるよりも早く、伸びてきたお兄さんの手が水着の裾にかかりました。

ぎゅうぅっ!
 お兄さんは抱き上げようとしたのでしょうが、そのまま引っ張り上げられたものですから、お尻の谷間と割れ目に水着が食い込みます。足が浮きかけて、思わずしがみついてしまったのがお兄さんの水泳パンツだったものですから、さあ大変!
「きゃっ……!? ――んむぅっ!」
 びっくりした拍子に、ずるっと水泳パンツが脱げて、続けざまにぶるんっと飛び出してきたおちんちんが、お口の中に潜り込んでしまいました。
「んぅうっ! んふっ! んもぉっ!」
 何とかしてその体勢から逃れようとするのですが、真紀ちゃんがもがけばもがくほど、水着はあそこに食い込んで、おちんちんは喉のほうにまで侵入してきます。
 もちろん、真紀ちゃんにそんなつもりはないのでしょうが、頭が上下するごとに、お兄さんに与えられる快感といったら、それはそれは容易に想像がつきます。
ぢゅぽっ……ぢゅむっ……ぢゅぷっ……!
 ちっちゃなお口を駆使(?)しての、真紀ちゃんにとっては不本意なおしゃぶりに、お兄さんはもはや夢中です。健全な高校生らしく、他人から与えられる刺激に慣れていないおちんちんは、早くも暴発寸前。
「ぅあぁっ! ――出るぅ……ぅうっ!」
びゅるっ! びゅるるっ! びゅっ! びゅるっ! びゅっ!
「ふんんんんっ!? んぅんんっ! んふぅうぅうぅ――っ!」
ごきゅっ! ごきゅっ! ごきゅんっ!
 はしたない音を立てて喉が上下していますが、そうしないと息が詰まってしまうのですから、ここは仕方ありません。口いっぱいに広がるえぐみと、鼻に抜ける生臭さ、それに喉に絡まる精液のぬめりにむせそうになりながら、真紀ちゃんは頑張って飲み下そうとしました。
「……んぶっ! ……っ……ごほっ! けほっ!」
ぴゅるっ! ぴゅっ! ぴゅっ!
 それでも、あまりの量の多さに口を離してしまった真紀ちゃんのお顔に、残った精液が打ちつけてきます。
 お口もお顔も、余すところなくホワイトパックされてしまった真紀ちゃん、半宙吊りの半強制ご奉仕状態からようやく解放されて、ほっと一息。

「――ご、ごめん……大丈夫だった?」
 出すものを出してしまって我に返ったのでしょう、慌ててお兄さんがシャツの裾でお顔を拭いてくれました。
 真紀ちゃんにとってはアクシデントのようなものだったのですが、お兄さんはそう思わなかったらしく、しきりに謝ってきます。おちんちんを咥えたのは、別にこれが初めてではありませんし、急にお口の中に射精されてびっくりしただけなのですから、真紀ちゃん、何が何やら、きょとんとしています。
「うん、平気だよ。――でも、ここ……ひりひりしちゃってる」
 と、お兄さんの目の前で、臆面もなく水着の股のところを横にずらしてみせた真紀ちゃん、唖然とした顔のお兄さんに構わず、指で割れ目を押し広げました。
 暗がりの中だから、お兄さんからは見えないだろうと思ったのですが、白いお肌の中で、そこだけがピンク色のお口を開けているせいで、ばっちり見えてしまっています。
――ぷっつん!
 何かが切れる音が、お兄さんにだけは聞こえました。
 水着をずらしてあそこを見せつけるといったことが、しつこいようですが健全な高校生にとって、どのような効果をもたらすのか、まるでわかっていない真紀ちゃん、
「わっ!」
 言わんこっちゃありません。またまた思考回路が熱暴走したお兄さんが、形振り構わずむしゃぶりついてきたのは、男性の生理としては至極当然のことだったと言えるでしょう。
「だめだよぉっ! そこっ、おしっこ……しちゃった……のにぃ……」
 若さが取り得なだけに、お兄さんの舌はねちっこくあそこを舐り回してきます。子猫がミルクを舐めるときみたいな音を立てるお兄さんの舌使いに、真紀ちゃんのあそこからは、早くもシロップみたいにとろっとした蜜が滲んできました。
ぴちょ……ぺちゃ……ぷちゅ……。
 いつもは意識していなかった、おしっことは違うものが溢れ出てくる感覚に、真紀ちゃんの腰が自然に浮き上がります。そんなところを舐められるのはいけないと思う反面、もっと舐めてもらいたいと思う気持ちの綱引きは、後者に軍配が上がったようです。
「くぅんっ! そこぉ……んっ……気持ち……っ……ぃいよぉっ!」
ちゅぴっくちゅっちゅぴっくちゅっちゅぴっくちゅっちゅぴっくちゅっ……。
 舌でちょこんと出っ張ったクリトリスを、指で窮屈なあそこの中をこね回されて、全身を縦横無尽に駆け巡っている気持ちよさの前に、すっかり流されてしまっている真紀ちゃん、とても六歳――小学校一年生の女の子
には見えません。
 こうなってしまっては、さすがの“カミナリさま”も形無しです。夕立の中、誰もこない更衣室で、お兄さんと二人きりで繰り広げる、いけなくて気持ちのいいこと――何だか、癖になってしまいそうな予感。
「やぁっ! ふぁっ! ……ふぁあぁ――ッ!」
ぷぢゅっ! ぷしゃっ! ぷしゃあぁあぁあっ!
 さんざん弄くり回された挙句、真紀ちゃん、クジラのように潮吹きを披露してしまいました。

 成りゆき上、エッチの経験もそれなりの真紀ちゃんですが、こんな風になったことは一度もありません。
 暑くて堪らないはずが、初めて味わった絶頂感に、背筋はぞくぞく、足腰はがくがくしています。
 それに、相手がお兄さんだからなのでしょうか、いつもはそんな風にならないのに、今日に限っては、もっともっとエッチなことをされたい気分がどんどん高まってきます。
「……ふぁ……ぁは……はぁ……」
 背筋を震わせて、息を荒げながら余韻に浸る真紀ちゃんも、髪から雫を滴らせているお兄さんも、お互いに一回ずつ気持ちよくなれたわけですから、これでおあいこにしてもよかったのでしょうが、あそこは蕩けっぱなし、おちんちんは勃ちっぱなしとあっては、そうも言っていられません。
「……真紀ちゃん――」
 お兄さんが次にしたいことを、真紀ちゃんはすぐにわかりました。だって、真紀ちゃんもそうしたいと思っていたのですから。
「……うん――」
 ついさっき、射精したばかりなのに、また勃起したおちんちんを目の前にして、真紀ちゃん、自分の指であそこをいっぱいに広げました。
くちゅ……。
 日焼けもしていないのに黒っぽい色をしたおちんちんの先っぽが、白いお肌の中でそこだけが真っ赤なお口を開けたあそこに触れてきます。
ぬぷっ……。
 狭いあそこの中を押し分けるようにして、おちんちんが入ってくるのを感じます。見ず知らずの人と違って、お兄さんのおちんちんを入れられているというのは、恥ずかしいような、それでいて嬉しいような、不思議な気分です。
「……痛くない?」
「ぅん……へっちゃらだよ」
 おちんちんを奥まで入れられると、少しだけ苦しいのですが、痛みを感じるほどではありませんでした。
 それよりも、明日からも顔を合わせるお兄さんとエッチしているというこの状況に、何だか胸がどきどきしています。あそこに収まったおちんちんの感触も、いつも以上に熱くて、思わずお兄さんの首に手を回してしがみついていた真紀ちゃんです。
ずっ……ずりゅっ……ずりゅっ……ずっ……。
 真紀ちゃんの背中が痛くないようにと、抱っこしながら腰を動かすお兄さんのおちんちんが、子宮にずんずん響いてきます。蒸し暑い更衣室の中、二人とも汗だくになっていましたが、水着とTシャツのおかげでべたべたすることもありません。

「今度……一緒に、お祭り、見に行こうか」
 体勢が体勢だけに激しく動けませんし、さっき射精したこともあって、少しはゆとりの生まれたお兄さん、エッチの真っ最中にデートのお誘いです。
「うんっ、行く、一緒に行きたい」
 何やら誤解されそうな言い回しでOKした真紀ちゃん、これだと順序が違っているような気もしますが、すごく嬉しそうなので、ここは良しとしましょう。
 真紀ちゃんは本当の兄妹みたいにお出かけできることを喜んでいますが、お兄さんのほうは本気でデートのお申し込みのようです。年の差カップルの誕生までには、まだまだ道程は遠そうですが、真紀ちゃんも好意を抱いているようですし、これはひょっとして、ひょっとするかもしれません。
 とまあ、遠いか近いかもわからない将来のことはさておき、こればかりは今でも未来でも変わらない、十歳も年下の女の子を相手にしているお兄さん、早くも第二波が込み上げてきたようで、動きにスパートが
かかっています。
「ゃんっ! ひぅっ! んんっ! っくぅ!」
 おなかの奥のスポットをこね回されて、真紀ちゃんもまた、息が上がっています。
 いつもだったら、こんなことはないのですが、お兄さんに気を許したことで、真紀ちゃんの子宮口も、これまで誰も到達したことのないさらにその奥へと、おちんちんの侵入を許してしまったようです。
「……またっ……くッ!」
――どぷっ!
 子宮に直接精液が注ぎ込まれた瞬間、真紀ちゃんの中で何かが弾けました。
「んぅ……っくふぅっ! っくぅうぅ――ッ!」
とぷっ! とぷっ! とぷっ……。
 おなかの奥に打ちつける精液につられて、真紀ちゃんの体も小刻みに震えています。
とくんっ……とくんっ……とくんっ……。
 重ね合った胸から響いてくる鼓動と、子宮をいっぱいにしたおちんちんの脈動が一つになって、真紀ちゃんの胸もおなかもきゅんとなりました。
 泳いだ後のエッチということもあって、とても疲れていましたが、そのせいばかりではなく、ずっとこのままでいられたら――そんな気持ちでいっぱいの真紀ちゃんに、お兄さん、ちゅっとキスしてきました。
 これまた順序は違っていましたが、真紀ちゃんにとってはファーストキスということもあって、これはお兄さん、責任重大です。
 そんな二人の姿に中てられたのか、いつしか雷も遠ざかり、雨足も次第に弱まってきたようです。更衣室は相変わらず停電したままでしたが、外がやや明るくなっているところを見ると、もうすぐお天気も回復するの
でしょう。
 なのですが、このときばかりは、もう少し“カミナリさま”に頑張っていてもらいたかった真紀ちゃんでした。

「ははっ、おへそが無事でよかったなぁ」
 お風呂場で真紀ちゃんを泡だらけにしながら、パパは呑気に笑い飛ばしました。
 真紀ちゃんから事の顛末――もちろん、お兄さんとの一件は伏せています――を聞いて、愛娘をからかうネタがまた一つ増えたと喜んでいるパパ、事の真相を知ったら、それこそ雷に打たれたみたいになるのではないでしょうか。
「えへへ♪」
「お? 今日はえらくご機嫌だな、まきのすけ」
 いつもなら何か言い返してくるはずの真紀ちゃんが、今日に限っては幸せそうなお顔で笑い返してきたことに、パパはちょっとだけ不思議そう。
 さてさて、気紛れな“カミナリさま”がやってきたおかげで、とられてしまったのは真紀ちゃんのおへそより、よっぽど大事なものだったのかもしれませんよ。
 ねえ、真紀ちゃん?


おわり