真紀ちゃん 姫初め
〜真紀ちゃん お姫様 part A〜

作  竹海 楼蘭


「あけましておめでとうございます」

 年の瀬から新年にかけてを、雪国のホテルで迎えた真紀ちゃん一家、まずは新年のご挨拶です。
 お休み返上でお勤めした甲斐あって、パパもママもお正月にまとめてお休みがとれたものですから、たまにはと一家総出でお出かけしたのが、つい昨日(大晦日)のこと、最後まで師走らしい慌しさでしたが、それも今となっては去年のお話なのでした。
「来てよかったなぁ」
「ええ」
「うんっ♪」
 窓から見渡す限りの銀世界を照らす、幸先のいい初日の出を拝めたこともあって、ボーナスを奮発したパパもまんざらではなさそうです。いつもなら大掃除とおせち料理に追われて、大晦日も元旦もないママも、あくせくしないで過ごせるのは何よりといった感じです。
 真紀ちゃんも真紀ちゃんで、初めてお家以外で過ごせるお正月に、昨夜遅くまで起きていたことも忘れて、ご機嫌もいいところ。
 実のところ、除夜の鐘が鳴るまで起きていると言い張っていたのですが、紅白歌合戦の途中で眠ってしまったのは、ここだけの秘密です――だって、今さら蒸し返したところで、ご機嫌を損ねてしまうだけですから、ねえ?
 そんな真紀ちゃんを前に、パパとママは眠そうにあくびなんかしていますが、久しぶりにゆっくりできたのですから、無理もありません。もちろん、年越しで夫婦の絆を確かめ合っていたなんて、熟睡していた真紀ちゃんには知る由もありませんでしたが。
 ともあれ、真紀ちゃん一家の2003年は、こうして始まったのでした。

 ホテルのサービスということで、お正月らしく晴れ着に着替えて髪を結い上げた真紀ちゃん、仲居さんが運んできてくれたおせち料理に早速飛びついています。
 まだまだ色気よりは食い気といったお年頃、見た目も豪勢なおせち料理を前に奮闘している真紀ちゃんといったら、せっかくの晴れ着を汚さないようにと、ママが気を利かせて袖を後ろのほうに摘んでいるのにも気づいていません。
「まきのすけ、黒豆は歳の数だけ食べるもんなんだぞ」
 甘く煮つけられた黒豆を頬張っている真紀ちゃんを、早くもお屠蘇でお顔を真っ赤にしているパパがからかいます。
「ふーん……だったら、パパ大変だね」
 と、負けじと言い返した真紀ちゃんに、空いたほうの手でパパのぶんのお料理を選り分けていたママも、思わず吹き出してしました。
 テーブルを囲んで初笑いも賑やかな真紀ちゃん一家、今年も良い年になりそうです――が、やっぱりというか、このシリーズ恒例にして好例のお約束は、今年もしっかりちゃっかりと付いて回るのでした。
「まきのすけも飲むか?」
 だんだんといい調子になってきたパパ、燗をしたお屠蘇をお猪口に注いで、真紀ちゃんのほうに差し出しました。
「パパったら、いけません!」
「まあまあ、正月だし、ちょっとくらいなら――」
「だめですってば!」
 ママが諌めている間に、物珍しそうにお猪口を見つめていた真紀ちゃん、パパの真似をしてくいっと一気に飲み干してしまいました。
「あら!」
「お、いい飲みっぷりだな」
 かーっと喉が、次いでおなかが熱くなって、ふうっと吐いた息も心なしか熱がこもっているような、苦いんだか甘いんだかもわからないままに、体はぽかぽか、頭はふわふわしてきます。
「もう一杯いくか?」
「うん♪」
「真紀ちゃんもいい加減に――もうっ!」
 と、二杯目が注がれたお猪口を、横からママが掻っ攫ってしまいました。
 パパと違って、お酒に関してはまったく下戸なママでしたが、愛娘にこれ以上飲ませるわけにはいかないと、これまたぐーっと空けてしまったのですから、さあ大変!
 注いでは注がれの応酬が始まった両親を傍目に、数の子をぱくぱくと平らげている真紀ちゃん、珍しく結い上げた髪とほんのり桜色に染まった頬っぺたのおかげで、色っぽいったらありゃしません。
 そうしている間にも、空になった徳利が一本、また一本と増えていって――。

「ママ、お風呂行こうよぉ」
 おなかがいっぱいになったところで、次は露天風呂を堪能しようと思い立った真紀ちゃんでしたが、どんなに揺すったところで、パパと折り重なるようにして倒れてしまったママからの反応はありません。
「もぉ……パパ、ねぇ、パパったらぁ!」
 酔いつぶれてしまったママを諦めて、今度はパパのほうを誘おうとした真紀ちゃん、こちらもやはり無反応というか、返ってくるのはいびきの音ばかり。
 ずっとお休みなしだったわけですから、パパもママも疲れていたのでしょう、無理強いするのも可哀想だと、半ば諦めかけた真紀ちゃんでしたが、昨夜は雪のせいで入れなかった露天風呂のことを考えると、居ても立ってもいられなくなってきました。
「……よーし、行っちゃえ」
 うんっと大きく頷いて、ベッドから引っ張ってきた布団をパパとママにかけた真紀ちゃん、これで大丈夫とばかりに、晴れ着の袖にルームキーを入れてお部屋を飛び出してしまいました。
 目指すは一階の大浴場――ではなく、最上階の露天風呂です。
 おやおや、そんなに走らなくても、露天風呂は逃げたりしませんよ――と言ったところで、真紀ちゃんが聞いてくれるかどうか。
 正月早々にして元気いっぱいの真紀ちゃん、お屠蘇気分で走り回って、それからお風呂なんかに浸かったらどうなることやら、それでも好奇心には勝てないようです。
 ここは一つ、それからどうなったのか、見守ることにしようではありませんか。


 脱衣所でもどかしそうに帯を解いて、晴れ着をきちんと畳むでもなく籠に放り込んでは、ガラス戸を豪快に開け放った真紀ちゃんに、雪国の冷たい風と湯気がいっぺんに吹きつけてきました。
「わぁ……」
 さすがに寒さは天下一品でも、湯気の合間に覗く雪山や、どこまでも澄み渡ったお空に思わず見惚れてしまった真紀ちゃん、自分にこそ視線が集中しているのに、まるで気づいていません。
 というのも、真ん中から衝立で仕切られた露天風呂の、こちら側は男性客専用なわけですから、そこにいきなり女の子が現れたとあっては、注目されないわけがないというもの。
 男湯なんていう習っていない漢字に加えて、入口の人も真紀ちゃんくらいの年代だったらとスルーパスしてしまったのでしょう、注目の中で岩風呂にそっと片足を浸けた真紀ちゃん、周りに男の人しかいないのに、少しの違和感も覚えていないようです。
「あっちちち」
 染みるようなお湯の熱さに、足を浸けたり引っ込めたりしている真紀ちゃんの前に、自然と移動してきた人がいたのは、まあ、無理もありません。
 何しろ、足を動かすたびにあそこがぱっくり開いたり閉じたりするのですから、朝も早くからお風呂にやってきた男の人たちからすれば、眼福もいいところなのでした。
 しばらくしてお湯の熱さにも慣れると、いよいよもってそろそろと体を沈めていった真紀ちゃん、
「――ふぅ……」
 ゆっくりと肩まで浸かって、岩に背をもたせかけたそのお顔といったら、極楽極楽と書いてあるかのようです。
 果たして、それがお湯のせいなのかお酒のせいなのかはわかりませんが、瞳がとろんとしているところを見ると、ものすごくいい気分なのでしょう。
 でも、お酒を飲んだ後に走り回って、それから熱いお風呂になんか浸かったりしたら――。
「ふにゅうぅ……」
 ほら、言わんこっちゃありません。一気に酔いが回ってしまったのでしょう、体じゅうがぽかぽかしているのはいいのですが、早くものぼせ始めている真紀ちゃん、このままだと茹でダコになってしまうのは必至です。
(――あ……れぇ……?)
 目の前がぼんやりしてきて、立ち上がろうにも体が言うことを聞いてくれず、思わず隣にいたおじさんに向かって倒れ込んでしまった真紀ちゃんを、
「おやおや、大丈夫かい? ……あっちで少し涼もうね」
 何気に抱きとめてくれたのはいいのですが、どさくさに紛れて人気のないところへと移動しているところを見ると、もしかしたら、もしかするのかもしれません。
 立ち込める湯気のせいで、特に怪しまれもせずに岩陰に連れ込めた真紀ちゃんを、おじさんはいやらしい目つきでじろじろと眺めつつ、揉み手なんかしています。
 やっぱりというか、お正月早々にして大ピンチの真紀ちゃんですが、のぼせてしまって声も出せないのですから、このままだとおじさんに好き放題されてしまいそうです。
「――What’s doing?(何してるんですか?)」
 と、今まさにおじさんの手が真紀ちゃんに触れようとしていた、そのときでした。
 背後から聞こえてきた本場ならではの流暢な英語と、湯気を掻き分けるようにして現れた金髪の青年に、おじさんが固まってしまったのは言うまでもありません。
「What do you think that you’d expect you would see?(自分が何をしているのかわかっているんですか?)」
「あ、えー……えー……」
 もはや何が何だか、自分よりもずっと背が高くて体格もいい外国人を前にして、おじさんはしどろもどろもいいところです。
 言い訳しようにも、英語なんておいそれと喋れませんし、睨みを利かせようにも、如何せん相手が悪すぎるというもの。
「あー……ソーリー」
 あれまあ、情けなくそう言い残して、おじさんはそそくさとその場から逃げていってしまいました。
 残されたのはぐったりしている真紀ちゃんと、ピンチを救ってくれた外国の青年――あれれれ? この人、どこかで見た覚えがあるような……。
「――マキ!」
 放っておくとお湯の中に沈んでいってしまいそうな真紀ちゃんを、文字通り救い上げてくれた、その人とは――。
「……王子様?」
 抱きかかえてくれている逞しい腕の感触を思い出すよりも先に、間近にある青い瞳と金色の髪の毛が、それが誰であるのかを教えてくれました。
 頭はぼーっとしていましたが、見間違えるはずもありません――だって、真紀ちゃんのたった一人の王子様なのですから。
「……ふぁ――」
「――マキ? マキッ!?」
 夢のようなひとときを過ごした、忘れもしない王子様が目の前にいたことで、今度こそ夢なのではないかと思った真紀ちゃんの意識は、熱に浮かされたあまり、そこでふっと途絶えてしまいました。
 女の子なら、誰でも一度は憧れる、自分のピンチに駆けつけてくれる王子様――ですが、真紀ちゃんの王子様は、憧れでも何でもなく、本当に真紀ちゃんのピンチを救ってくれたのでした。

 目が覚めたとき、まだはっきりとしない頭で真っ先に思ったことは、ここが王子様のお部屋だったらなぁ――という、実に乙女チックな発想でした。
 ピンチに遭遇した自覚があるのかないのか、それよりも王子様との再会を確かめたかった真紀ちゃん、辛うじて動く首を巡らせて、思わずぽかんとお口を開けてしまいました。
 だって、ここが豪華絢爛を絵に描いたような洋室で、今いるところだって天蓋つきのベッドに違いないと思い込んでいた予想が、物の見事に外れてしまったのですから。
 去年の十月、ロイヤルスイートルームでシンデレラみたいな体験をさせてくれた王子様でしたが、今回はごく普通の和室に、お布団も畳の上に敷かれたものと、王子様にはぜんぜん似つかわしくないお部屋です。
 寄り添ってくれていた王子様も王子様で、一回りサイズの小さな浴衣姿が、かっこいいお顔と金髪にミスマッチすぎて、いくらお正月とはいえ、ここまで和風テイストでなくてもいいのではないでしょうか。
 まあ、真紀ちゃんも滅多にない晴れ着――といっても、王子様が慌てて着付けさせたのでしょう、帯もろくすっぽ結ばれていませんでしたが――姿でしたから、お正月らしいといえばらしいということで、ここは一つ、良しとしておきましょう。
「えへへ……やっぱり、王子様だぁ」
 露天風呂ではあまりにも咄嗟のことでしたので、ここにきてようやく王子様が本物なのだと認識できた真紀ちゃんに、王子様も再会を祝うかのようにおでこにキスしてきました。
「久しぶりだね、マキ。――うん、前に会ったときより、ずっと綺麗になった」
 はにかんだ笑みを浮かべた真紀ちゃんが無事だったことで、ほっとしたお顔の王子様、偶然もいいところの運命的な再会に、惜しげもなく照れ臭い台詞のオンパレードです。
 見つめ合ったまま、早くもいい雰囲気のお二人さんですが、さすがにこのままエッチに雪崩れ込むのもムードがないというもの。
 なので、ここは状況を進展させるための小道具を取り出しましたる王子様、
「――そうだ、アイス食べるかな?」
 売店で買ってきたらしいアイスをちらつかせて、真紀ちゃんの出方を窺っています。
「うん、ありがとう」
 湯中りを起こしてしまったせいで、まだまだ本調子ではない真紀ちゃん、喉が渇いていたのと、少しでも涼しくなりたいのとで、王子様の厚意に甘えることにしました。
「はい、あーん」
「あーん♪」
 王子様が手ずから食べさせてくれた雪見だいふくは、中のバニラがちょうどいい柔らかさで、甘さと冷たさがお口の中いっぱいに広がります。
 さすがに一口では食べきれず、残った半分はというと、顔を近づけてきた王子様がぱくっと食べてしまいました。どさくさに紛れてちょっぴり唇同士が触れたものですから、嬉し恥ずかしの真紀ちゃんです。
「まだあるからね。ほーら」
 続けて二個目、今度は先に王子様がお口に咥えて、口移しに真紀ちゃんと半分こ。
「……んっ……」
 喉の渇きも癒されて、ちょっとは元気を取り戻した真紀ちゃんに、今度こそ本当にキスしてきた王子様、会えなかったぶんの時間を取り戻す勢いで、いつになくせっかちです。
 もっとも、それはキスをされた真紀ちゃんも同じなのでした。
「ふぁ……んむ……ふぅ……んんぅ……」
ちゅっ……ちゅぴ……ちゅるっ……ちゅぷ……。
 初めて出逢ったときと何ら変わりない、舌を絡め合う情熱的なキスをされて、お屠蘇を飲んだとき以上の熱さが、おなかの奥のほうからじんわりと広がってきた真紀ちゃん、
「……んくっ……むぁ……んぅ……こくっ……」
 自分から舌を絡めて、バニラの甘さいっぱいの唾液にこくこくと喉を鳴らしています。
 たった二ヶ月なのか、二ヶ月ぶりなのかはお二人の胸中に訊くとして、キスを繰り返す真紀ちゃんと王子様といったら、それはそれはお熱いことこの上ないといった感じで、見ているこっちが照れてしまいそうな勢いです。
「ずっと会いたかった……好きだよ、マキ――」
 王子様の告白に、何だかくすぐったそうに身をよじっている真紀ちゃんの格好といったら、晴れ着の前がはだけて、おっぱいもあそこも見えてしまっている、それはもう裸以上に色っぽさ満点にして、もはや言うところはないといった感じです。
 まあ、王子様も真紀ちゃんを救うのに必死だったでしょうし、ここで晴れ着の着付けを云々するのは酷というものですので、ここは衣服を身に着けていただけよしとしましょう。
「マキ、すごく綺麗だよ……」
 それに、不思議なもので、王子様にそんな風に言われると、恥ずかしさもどこへやら、もっと見てもらいたいような気がして、自分で帯を解いてしまった真紀ちゃん、晴れ着に袖だけを通した格好といったら、王子様でなくとも見惚れてしまうに違いありません。
 ほんのり桜色に上気したお肌に、珍しく結ばれていない髪の毛が肩にかかって、いつもの真紀ちゃんとは違う魅力が全身からオーラとなって放たれているのです。これはもう、和洋折衷の区別なく、萌えないほうがおかしいというものでしょう!
「マキが可愛すぎるから……こんなになっちゃったよ。――見てごらん」
 お洋服とは違う、それでいて少しも真紀ちゃんらしさを損ねてはいない、純和風のお姫様スタイルに、こちらも浴衣の帯を解いた王子様のおちんちんは、早くもいきり立ってすごいことになっていました。

 そっと手のひらに触れてきたその長さ、太さ、大きさといったら、相変わらず真紀ちゃんの肘から先ほどもある超ビッグサイズでしたが、脈打つその熱さに胸がきゅんとなった真紀ちゃんでした。
「……こんなにおっきくなって――すごいよぉ」
しゅりしゅりしゅり……。
 誰に教わるでもなく、本能から自然と手を上下させるにつれて、王子様の手も首筋からおっぱい、おっぱいからおへそ、おへそからあそこへと移行していきます。
くちゅくちゅくちゅ……。
 おちんちんの熱が手のひらを伝っていったかのように、すぐさま湿り気をおびたあそこは、指にさすられるたびにエッチな音を立てて、しゅりしゅりとくちゅくちゅの二重奏が二人を次第に昂ぶらせてゆくのでした。
「マキ、おしゃぶりしたい?」
「うん……」
 そろそろ頃合いだと思ったのでしょう、王子様の問いかけに素直に頷くと、まだ起き上がれない真紀ちゃんに代わって、王子様がお顔の上に跨ってきました。
「こうすれば、マキのもおしゃぶりできるからね」
 と、俗に言う69の体勢で真紀ちゃんのあそこに顔を埋めた王子様ですが、この状態では上手くおちんちんをおしゃぶりできない真紀ちゃん、それならとばかりに、目の前で揺れるタマタマをぱくっと頬張ってしまいました。
ちゅぽっ……れろっ……てろてろてろっ……。
 王子様の舌があそこを舐め回すたび、雪見だいふくの食感にも似たタマタマを片一方ずつ口に含んでは、舌の上で転がしてお返しです。もちろん、そうしている間にも、おちんちんをしごくことも忘れてはいません。
「うぁ……マキ、すごいよ……」
「ぅん……んふぁ……はぷぅ……」
 二ヶ月ぶりですから、その間のインターバルを考えると、これでもまだ大人しいくらいなのでしょう。時間が経つにつれてエスカレートしてゆく行為は、留まるところを知らないかのようです。
「マキはこっちも可愛いね」
 お尻を持ち上げた王子様、今度はひっそりと息づいたお尻の穴に、ふっと息を吹きかけました。
「きゃうんっ」
 思わずひくひくさせてしまったのですから、見ようによっては誘っているようでもあります。恥ずかしいところを大好きな王子様にじっと見つめられているものですから、ひくひくはやがてぱくぱくに変わって、あそこと同じくらいのお口を開けておねだり。

るりゅぅ……にゅぷ……ちぅうぅ……。
 大好きな王子様にお尻の穴まで愛されて、恥ずかしいのと気持ちいいのと嬉しいのとで胸がいっぱいの真紀ちゃん、王子様がしてくれたのですから、これまたお返ししないわけにはいかないと思い立ったようで、
れるぅ……ちろちろっ……ぬぷぅ……。
 顔の上に跨る格好となった王子様のお尻に顔を埋めて、お尻の穴に舌を這わせては、同じように気持ちよくしてあげたい一心から、丹念なご奉仕を始めてしまいました。
 他ならない王子様のですし、さっきお風呂に入ったばかりですから、ぜんぜん抵抗なくお尻も気持ちよくしてあげている真紀ちゃん、おちんちんの気持ちよさはわからなくても、お尻の気持ちよさなら男の人も一緒だろうと、そんな風に思ったに違いありません。
「ぅあぁっ! ぉおぅっ! マキ……そんなっ――」
 思いがけない反撃に、ついつい舌を使うことも忘れて快感を享受してしまった王子様、おちんちんは限界にまで張りつめて、見ているこっちが痛いくらいです。
 このままだと、稚拙なのが逆にツボを突いた真紀ちゃんの舌使いによって、あえなく果ててしまうのは必定――もちろん、そんなことは王子様の、いえ、漢としてのプライドが許したりはしません。
「……え? ――ひゃあっ!」
 くるりと身を翻し、真紀ちゃんの両足首を掴んでいっぱいに広げた王子様、真紀ちゃんの柔らかい体質を利用して、両膝がちょうど顔の両脇になるように折り曲げてしまいました。
 当然のことながら、真紀ちゃんの目の前には王子様の指と舌でもって、いい感じに仕上げられたあそこが、ぱっくりとお口を開いていることになります。
「やぁん……恥ずかしいよぉ」
「ほら……マキのあそこに、僕のが入っていくよ――」
――ずにゅぷぅ……。
 そんな、ただでさえ恥ずかしい格好に加えて、そのお口を限界以上に広げるようにしておちんちんが垂直にめり込んできたわけですから、真紀ちゃんとしてはたまったものではありません。
「……ぎひぃ……っ……っあ……ぅうぁっ!」
みちっ……みちみちぃっ……。
 窮屈な体勢で極太極長クラスのおちんちんを迎え入れなければならないわけですから、真紀ちゃんとしてもいつものようにはいかなかったでしょうが、ゆっく りと亀頭が膣口を押し分けて、長いシャフトがゆるゆるとあそこに沈んでゆくのを目の当たりにしているとあっては、胸のドキドキは否応なく高まってきます。
……ぬりゅるぅうぅ……ごちゅっ!
 おそらく、亀頭が子宮口に到達したのでしょう。息苦しいほどの圧迫感がおなかから脳天にかけてダイレクトに響いて、三分の一ほどを残しておちんちんは止まってくれた――かのように思えたのですが。
「ひゃあぁっ! ぉくっ……奥にぃっ! きちゃうっ! 入ってきちゃうぅ――ッ!」
……ぐりゅっ……ぢゅりゅっ……ぎゅぢゅりゅうぅうッ!
 子宮口をこじ開けられる断続的な痛みと、痛みを忘れるくらい永続的な充足感とともに、
――ぼこんッ!
「……っは……ぁうぅ――ッ!」
 亀頭が子宮壁を叩く衝撃とともに、ついにおちんちんが余すところなくあそこに収まってしまいました。

 王子様との初めてよりも、体勢的にきつい状況で、しかもその一部始終を目の当たりにした真紀ちゃんといったら、早くも口をぱくぱくさせて文字通りの貫通に耐えているといった様子ですが、
「――ほら」
びくんっ!
 王子様に胎内の一番奥深くを擦り上げられると、
「こんなのはどうかな?」
びくびくんっ!
 苦しいのに、それ以上の強烈な衝撃が駆け抜けて、
「まだまだいくよ」
びくびくびくびくんっ!
 無防備な子宮を蹂躙する、鮮烈かつ強烈すぎる刺激に、もはや言葉もなく全身を痙攣させるばかり。
 まるで杭打ち機のように、子宮に対して垂直におちんちんを打ち込まれるわけですから、その衝撃たるや、一撃で何十回、何百回ものピストン運動に相当するわけです。
「ぃくぅうっ! ひぐぅふぅうぅうぅ――ッ!」
めりゅっ! ぢゅどっ! めりゅっ! ぢゅどっ!
ぶしゃっ! ぷしゃぁあっ! ぷぢゅっ! ぷしょおぉおっ!
 一突きごとに盛大に潮を吹いて、お顔をびしょびしょにしていることからもおわかりの通り、ずっとイキっぱなしの状態が続いている真紀ちゃん、そのせいで あそこ――子宮口がきゅっきゅって締まるものですから、王子様の側からしてみれば、攻めれば攻めるぶんだけ不利な状況を生み出しているといってもいいで しょう。
「マキ、そろそろいくよっ……いく、いくっ、いくッ!」
 エッチに関しては人一倍タフな王子様でも、亀頭のくびれたところを締めつけられては、あっけなく果てるしかなかったようです。
「っ……イクッ!」
「っは……あ――ッ!」
びゅーッ! びゅるるっ! びゅっ! びゅっ! びゅっ!
 おちんちんがおなかの中で震えて、打ちつけられた精液が子宮いっぱいに広がってゆく感覚に、さらに昇りつめてしまった真紀ちゃん、
「……ん……はぁ……くぷっ……ちゅるん……」
 繋がったままのあそこから溢れてくる精液をお口で受け止めて、幸せそうなお顔で喉を鳴らしてみたり。
 そうやって、久々の王子様とのエッチを堪能できた真紀ちゃんですが、王子様がタフだということは忘れていたみたいです。
「……え? ひゃうっ……えぇえっ?」
 あそこの中ですぐさま大きさを取り戻したおちんちんにびっくりしている真紀ちゃんに、王子様は笑って窮屈な体勢から解放してくれました。
「これくらいじゃ足りないよ。……マキはどうなの?」
 額に張りついた前髪を指で整えられながら、乱れてしまった呼吸を整えている真紀ちゃんも、ちょっぴり恥ずかしそうにこくんと頷き返しました。
 だって、前のときは途中で眠ってしまいましたし、次はいつ会えるのかもわからないのですから、できるときにできるだけしておくのが吉というものです。それに、これまでの分だって、まだ取り返していませんし――。
 そうなれば話は早いというもの。今度は手をしっかりと繋いで、お互いにお顔を見ながらの抜かず二回目を始めた王子様、実に紳士的です。

「ねえ、マキはどうされるのが気持ちいい?」
 ゆっくりと腰を前後させる王子様に訊かれて、
「あのね……奥のほうをね……ぐりぐりってされるのがいいの」
 正直に答えた真紀ちゃん、すっかり子宮でも感じられる体質になってしまったようです。
「ここ? こんな風にするのがいいの?」
ぐりゅっ! ぐりぐりっ!
「ぅんぁあっ! うんっ! いいよぉっ!」
 物の見事にスポットを突いてきた王子様に、あられもない声を上げて反応してみせる真紀ちゃん、両足を王子様の腰に回して、一番深いところで繋がっていたいという意思表示。
ぎゅちゅぷっ! にゅぢゅぷちゅっ! ぷぎゅぢゅぷっ!
 精液でたぷたぷの子宮は、一突きされるたびにぐちゅにゅぷといやらしい音を立てます。うっすらと汗ばんだ肌の中で、ひときわピンク色の目立つ乳首がつんと尖って、王子様に可愛がってほしいのがわかります。
「あ、あのね……おっぱいも……」
 ですから、真紀ちゃんのそんなおねだりに、王子様はしっかりと応えてくれました。
「ごめんごめん。忘れていたよ」
 わざとらしく言いつつ、おっぱいの先っぽを軽く摘んで、尖った乳首を指先でくすぐる王子様といったら、実はわかっていて黙っていたのではないかと思えるくらい、真紀ちゃんを焦らすのが上手です。
「くぅん……っひ……あぁん……ふぁ……」
 おっぱいもあそこも、いつも以上に気持ちいいのは、そんな様子をしっかりと王子様に見られているからなのでしょうが、こんな風にスローペースなエッチも悪くはありません。
 色んなお話をしながらのエッチに時間も忘れて没頭する二人の姿といったら、まさに恋人のようです。そもそも、王子様は真紀ちゃんにぞっこんでしたから、幸せで幸せでたまらないといったご様子。
 そうやって数十分ほど経ったでしょうか、そろそろ王子様、二回目の宣言をしました。
「マキ、またイクから、きゅーってしてごらん……んっ!」
「うん……こ、こう? あっ……ふぁ……」
 きゅーっとおなかに力を込めれば込めるほど、おちんちんが入っているのがわかって、おへその下あたりに置いた手にも、しっかりと亀頭の感触が伝わってきました。
びゅぐんっ! びゅくんっ! びゅくっ!
「ぁんっ! あ……ぁあっ……あぁあっ……」
びくんっ! びくびくんっ!
 射精されながらもあそこを締めつけ続ける真紀ちゃん、子宮内で弾ける精液の感覚が手のひらにもはっきりと伝わってきて、小刻みに背筋を震わせています。
「いっぱい……まだ……出てるよぉ……」
 うっとりとしたお顔で射精による快感を受け止めている真紀ちゃんも、すごく幸せそう。
 激しいエッチに比べて、ずっと快感が長引くだけ、王子様との繋がっている実感も湧いてくるというもの。色んな意味でおなかいっぱいのエッチができて、満足満足といったところでしょうか。
ぬぽんっ……ぴゅっ! ぴゅるるっ!
 抜かれたところで、まだまだ射精の収まらないおちんちんから放たれた精液が、遠くは頬っぺたから、近くはおへその上にまで、真紀ちゃんを純白に彩っていきます。
「……ぁん……」
ちゅぴっ……ちゅむっ……つちゅうぅうぅうぅ……。
 晴れ着から覗く素肌に白化粧されて、色っぽさもここに極まれりといった感じの真紀ちゃん、王子様のおちんちんを咥えて尿道に残ったぶんまで吸い上げると、味わうように舌の上で転がしてからごっくん。
「ぷぁ……おいし……」
 バニラの香りと精液の匂いに包まれて、幸せいっぱいの姫初めを満喫できた真紀ちゃん、今年もきっと、良いお年になることでしょう。

「ただいまー」
 お部屋に戻ってきた真紀ちゃんを、眠そうな目をこすりこすり迎えたパパとママ、ちょっぴり恨めしそうにしています。
 というのも、真紀ちゃん以上に露天風呂を楽しみにしていたのに、真紀ちゃんがルームキーを持っていったままだったのですから、寝正月を決め込んでいたのでしょう。
「ずるいぞまきのすけ、一人で行っちゃうんだもんなぁ」
 自分で酔いつぶれてしまったのは棚に上げて、どことなく非難がましいパパの物言いも、幸せ絶頂の真紀ちゃんには通用しません。
「あら、ずいぶんとご機嫌ねぇ。そんなに気持ちよかった?」
 晴れ着の着付けを整えながらのママの言葉に、精一杯の笑顔で頷いた真紀ちゃん、
「すっごく気持ちよかったよ♪」
 と、主語が抜けていましたが、まあ、事実そうだったわけですから、パパもママも羨ましそうなお顔をするばかり。
「よーし、今度はまきのすけがお留守番だからな」
 先を越されたのがよほど悔しかったのでしょう、真紀ちゃんから鍵を受け取ったパパ、ママを連れ立って早くも温泉気分満々です。
「パパったら大人気ないんだから……ごめんね、ちょっとだけお留守番しててちょうだい」
 ちょっとは真紀ちゃんのことを気遣う素振りを見せたママも、ちゃっかり仕度を済ませていたところを見る限り、パパのことは言えません。
「うん、いってらっしゃーい」
 ごねるかと思いきや、実にあっけらかんとお見送りしてくれた愛娘を置いて、足早に露天風呂に向かったパパとママ、お部屋の入口近くに立っていた外国人にはぜんぜん目もくれなかったようです。
「えへへ、ほらね」
 と、ドアを開けて王子様をお部屋に招き入れた真紀ちゃんに、「お邪魔します」と言った王子様も苦笑しています。
 お部屋に帰らないとパパやママが心配するかもしれないけれど、まだまだ王子様と一緒にエッチしていたい――そんな気持ちから思いついた作戦は、筋書き通り、大成功を収めたようです。
「じゃあ、早速――」
 浴衣の袷からおちんちんをまろび出させた王子様に、
「――うん♪」
 これまた晴れ着の裾を捲り上げた真紀ちゃん、お姫様抱っこで寝室に直行です。
 やっぱり、王子様とはベッドの上でじゃないとそれらしくないからと、第三ラウンドの場所を替えた真紀ちゃんのしたたかさも然ることながら、乗ってきた王子様も王子様といったところでしょうか。
 だって、二ヶ月ぶんを取り戻さなくてはならないのですから、ちょっとの時間だって惜しいじゃありませんか。
 いやはや、鬼の居ぬ間の洗濯ならぬ、親の居ぬ間のエッチに勤しむ真紀ちゃんも王子様も、正月早々お忙しいことです。
 今日を入れてあと三日もあるのに、今からこんなんでいいんでしょうか、ねえ、真紀ちゃん?
「いいっ! いいよぉっ!」
 あらら、そうですか。まあ、あまり羽目を外さないように……って言ったところで、聞いていませんよね。
 何はともあれ、最高のお正月を迎えられた真紀ちゃん、今年も良いお年でありますように。


おわり